儀式

様々な香りのインセンスの中から、今の自分にぴったりのものを
一つ選び出す。
部屋を暗くして間接照明だけにし、火をつけて、部屋に広がる香りを
ゆっくりと吸い込む。
そして理性がこう囁く。
「これが燃え尽きたら、出かける支度をしよう」
そしてもう一つの弱々しい、悲鳴にも似た叫びが聞こえる。
「このまま燃え尽きなければいいのに」
今日はこの儀式を3回繰り返した。
そして、ダメだった。
諦めて安定剤と睡眠薬を飲んで寝逃げした。
なんだか、もう疲れたよ。