疲れる

「おぼしきこと言はぬは、げにぞ腹ふくるる心地しける」
言いたいことを言わないで我慢するというのは、疲れますね。
先日、梨のジュースを購入しました。なんでも収穫間近になって
雹が降りだめになってしまった梨を、絞ってジュースにしたもの
だそうです。新聞で読んでネットで探しました。
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届いたので早速飲んで、残りは冷蔵庫に入れておいたのですよ。
我が家では自分が覚えのないものが冷蔵庫などに入っていた場合は
誰かに確認することになっています。勝手に食べたりはしません。
ですが、父親が「これもう残り少ないから飲んじゃうから、次のを
入れとくよ」って言いました。いや、私は飲んでいいなんて言って
ませんが。しかも飲んでいい?とか聞かれてもいませんが。
飲みたいなら飲ませてくださいって言えよ!!
……とは言えない小心者の私。「それは飲んでもいいけど、後は
そのままでいいから」としか言えませんでした。気持ちとしては
「キライなやつに恵んでやる気持ちにはなれないんだけど」って
感じなんだけど、そういう類の気持ちをストレートに言うと、その後
が面倒でしょ。もし「俺の家に、俺が電気代を払っている俺の金で
買った冷蔵庫に入れてるんだから文句言うな」みたいなことを言われたら
その場で飲めるだけ飲んであとは流しに捨ててやろうとか妄想しましたよ。


はー。こんなことを考える自分がすごくいやだ。
なるべく関わらないで済むように、自分の部屋に閉じこもっていたい。
でもそうすると心配性の母親がしょっちゅう部屋を覗きに来る。
学校がなければ夜起きて昼間寝て、顔を合わせないですむようにするのに。
引越しの荷造りは大変そうだけど、家を出られると思えば捗るだろう。
家を出ればもう会わないですむ。そうしたらもう少しやさしい気持ちが
もてるかもしれないし、そうじゃなくても疎遠になれるからいい。


こういうことがあるたびに、だりんに電話で愚痴るのだが、彼の偉い
ところは、私と一緒になって悪口を言ったりはしないこと。あくまでも
私を労わって優しい言葉をかけてくれて受け入れてくれる。
「そう言う気持ちはわかるよ」とか「そういう気持ちになることもあるよ」
とか「大変だったね」とか。「それはひどい」とか「そんなのは○○だ」
とかは絶対に言わない。すごく大人だと思う。同調するほうが楽なのに。
安易な方法を取るのではなく、私に対してのメッセージを発してくれる
ところがすごいと思う。そしてとてもありがたい。こんなにしょうもない
私でも受け入れてくれる人がいる、それはすごく大きな心の支えになる。
そしてそういった一連のことを決して恩に着せない。「すごくやさしいよね」
って言っても「気のせいだよ」って笑う。懐の深い人だ。感謝しても
しきれないけれど、やっぱり感謝する。