vol.34「第12回世界バレエフェスティバル」Bプロ
今回は1F10列付近のセンター左ブロック(下手より)。舞台を見るためには自然と斜めに
なる席だったし通路際だったので、前列が男性だったわりには見やすかったです。
指揮:デヴィッド・ガーフォース
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ピアノ:高岸浩子
うーん、管楽器ひどいのは変わらず。なんでかなぁ。プロが演奏しているのじゃないのかな。
配役表(NBSのサイト)
■第1部■
演目と出演者の一覧がスクリーンに映されます。この曲で始まるのが恒例。
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリアネラ・ヌニェス ティアゴ・ソアレス
ソアレスがソロのときに気張りすぎて最後の回転でバランスを崩したまま回ったので結局着地に失敗してこけてしまいました。ヌネェスはソロで斜めにピケ・アンドゥダンで進むときに顔を進行方向ではなく客席正面に向けながら回ってましたよ。フェッテは1回転-1回転-3回転。
サレンコがバランスを5秒くらい見せていましたよ。お祭り騒ぎに触発されてがんばったんですかね。ラブラブな世界でした。
「アレクサンダー大王」
振付:ロナルド・ザコヴィッチ/音楽:ハンス・ジマー
ポリーナ・セミオノワ フリーデマン・フォーゲル
大人の世界で素敵でした。また見たいなぁ。かわいい役よりこういうのが似合ってる。
「海賊」より "寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
シオマラ・レイエス ホセ・カレーニョ
しゃちほこリフトはやはりすごいな。カレーニョのサービス精神は頭が下がります。
「白鳥の湖」より "黒鳥のパ・ド・ドゥ"
振付:マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
上野水香 デヴィッド・マッカテリ
マッカテリはとても身体が重そうで、リフトも重そうにしんどそうにやっていました。水香さんもあんなに手足長いのに縮こまってて伸びやかさがありませんでした。コーダのマッカテリはさすがの回転技を見せてくれましたが、オーラスのセンターでの回転は水香さん斜めになっててマッカテリが必死にサポートしていました。うーん。
「パリの炎」
振付:ワシリー・ワイノーネン/音楽:ボリス・アサフィエフ
マリア・コチェトコワ ダニール・シムキン
おおーっ!わかっていたのにやっぱりすごいなぁ。二人ともジャンプは軽いし回転は多いし。コチェトコワはアンドゥダンをダブルで通す、グラン・アティテュードも男性並に高く飛ぶ。フェッテは1回転-2回転-アンレールで1回転-普通に1回転、後半は90度余分に回って四方を順番に向きながら回る。シムキンはピルエット8回転をすーっと回る、ジャンプの高さは身長よりも高いかも。そして「540」連発。大満足で、お祭り気分を満喫しました。
■第2部■
「ナイト・アンド・エコー」
振付:ジョン・ノイマイヤー音楽:イーゴリ・マルケヴィッチ
エレーヌ・ブシェ ティアゴ・ボァディン
ブシェの脚がとても美しい。他の作品もみたい。
「スリンガーランド・パ・ド・ドゥ」
振付:ウィリアム・フォーサイス/音楽:ギャヴィン・ブライアーズ
アニエス・ルテステュ ジョゼ・マルティネス
音の視覚化。ただ流れている音はなく、すべての音と動きが一体化している。
「白鳥の湖」第3幕より
振付:グレアム・マーフィー/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ルシンダ・ダン レイチェル・ローリンズ ロバート・カラン
男爵夫人の激しさが素晴らしい。つくづくジークフリートはひどい男だ。
「マノン」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル ヨハン・コボー
とてもかわいらしいマノン。二人が恋に落ちるのも納得。愛が溢れてキラキラした舞台。
「アパルトマン」より "ドア・パ・ド・ドゥ"
振付:マッツ・エック/音楽:フレッシュ・カルテット
シルヴィ・ギエム ニコラ・ル・リッシュ
男のアパートを訪れた女の夢想?という感じ。いいなぁ。全編みたい。
「ベラ・フィギュラ」
振付:イリ・キリアン/音楽:アレッサンドロ・マルチェッロ
オレリー・デュポン マニュエル・ルグリ
ルグリの腰の動きがとてもセクシー。今回尤も多くの拍手をもらっていたうちの一組。
■第3部■
二人ともジャンプが高い。よく回るし良く飛ぶ。サラファーノフはアラスゴンド・トゥールからアティテュード3回転の連続技。
「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
ヴィシニョーワの存在感がすごい。二人とも酔っているような漂う感じ。気まぐれな女に入れあげ溺れる男。そんな風情。
「ブレルとバルバラ」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:ジャック・ブレル、バルバラ
エリザベット・ロス ジル・ロマン
ため息が出る。歌詞のある曲なので、ちゃんとその歌詞を踏まえた振付になっているのはベジャールらしい作品。オペラみたいに字幕が出ればフランス語がわからない人ももっと楽しめると思うのに。CDほしくなりました。
使用しているのは次の4曲。「Ne me quitte pas/行かないで」「Dis quand reviendras-tu ?/いつ戻るのか教えて」「La Solitude/孤独」「Avec élégance/エレガンスを持って」
ロホがまた超絶技巧のオンパレード。10秒近いバランス、ピルエット5回転を数回。ヴァリエーションでのピルエット、1回目と2回目は5回転だけど3回目は6回転やったように見えました。私も踊ったことあるけれど、本当にため息です。
コーダのフェッテも4回転を織り交ぜたり、後半の四方を向きながらのフェッテも2回転をした後にさらに90度という感じで、もうすごすぎて。拍手喝采でした。
「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト フィリップ・バランキエヴィッチ
素晴らしい。オネーギンはひたすらタチアナを求めるし、タチアナは理性と感情の闘いで苦しむ。本当に素晴らしい。
「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ 音楽:レオン・ミンクス
スヴェトラーナ・ザハロワ アンドレイ・ウヴァーロフ
ザハロワは細くてよくしなる脚が実に美しい。キャラクターは白鳥のような姫向きだと思うけれど、キトリもがんばっていましたよ。
フィナーレ 「眠れる森の美女」よりアポテオーズ (ピョートル・I.チャイコフスキー作曲)
まさかまさかの手ぬぐい投げが行われました。いつもガラでしかやらなかったのに。途端に人が前方に殺到してすごかったです。私の近くまで飛んできたのは数本だけ。ガラはもっと後ろの席なので、今回はもらえそうにないです。ちょっと残念。
コジョカルが一生懸命投げても半分くらいは結びが解けてしまっていました。みんな終わった頃ににやっと正面に立ったマラーホフ。衣装の下に隠していた手ぬぐいを取り出して「コンニャロー」「ムキー」「どうだー」って感じにめちゃくちゃ風に投げていたのが楽しかったです。参加して長いからちゃんとファンの要求をわかっていますね。
カーテンコールは2回に決まっている(それが終わると照明が消える)のですが、それで観客が納得しない場合は拍手が続くのでまた照明がついてダンサーたちが登場します。
今日はコチェトコワ・シムキン組、ロホ・ボネッリ組、アイシュヴァルト・バランキエヴィッチ組の3組でカーテンコール3回行われました。納得の組です。
さー次のガラで(まだ全幕はあるけれど)一応フェスは終わります。さびしい。