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ダイヤかさ上げ:「再鑑定 2ランク下がった」 AGL加盟に検証依頼 福岡県の宝石商

ダイヤかさ上げ:「再鑑定 2ランク下がった」 AGL加盟に検証依頼 福岡県の宝石商
ダイヤモンドのかさ上げ鑑定問題で、福岡県の宝石商が17日、鑑定大手「全国宝石学協会」(全宝協、東京)が鑑定したダイヤ3個について「他社の鑑定でカラーが2ランク下がった」として、業界団体「宝石鑑別団体協議会」(AGL、東京)加盟の鑑定会社に、検証を目的とする再鑑定を依頼した。AGLには500〜600個分の再鑑定結果が集まっており、18日に理事会を開き、対応を協議する。
 宝石商によると、ダイヤ3個は、問題の鑑定があったとされる07年2月〜08年10月に鑑定された。仕入れる直前の5月下旬、都内の卸業者が、全宝協の簡易鑑定書を付けずにAGL加盟社に通常の鑑定を依頼。その結果、Dを最高にE、F……とアルファベット順に定められたカラー等級が、2個がGからIへ▽1個がFからHへ−−それぞれ2ランク下がったという。
 問題の発覚を受け、AGLは6月から本格的に加盟22社による再鑑定を進めている。宝石商は16日、全宝協の簡易鑑定書と、2ランク下がった他社の簡易鑑定書の両方を添付した3個を郵送。17日、鑑定会社に届いたという。宝石商は「全宝協と他社の鑑定結果が違うのはおかしい。かさ上げ問題をはっきりさせ、業界の信頼を回復する動きにつながってほしい」と話す。
 全宝協を巡っては、07年2月付の社内文書で業界カラー基準より「半〜1ランク」鑑定を甘くするよう指示したとされる。全宝協は文書の存在を認め、5月21日にAGLを自主退会した。全宝協は「ランクの境界付近について判断したもので、一律に変えたものではない。許容範囲の修正で問題はない」と説明している。【反田昌平、阿部周一、河津啓介】
2010年6月18日