思うこと

そんなにひどい親ではなかったと思う。
両親が子供の目の前で声を荒げて喧嘩をするということもなかったし、
ひどい体罰を受けたこともない。躾は厳しかったと思うけれど、間違ってはいない。
良い成績も良い学歴も強要されたことはない。
進路も何も、自分がやりたいようにすればいいと言われて育った。


でも、無言の期待はあったように思う。
もしかしたら実際にはなかったのかもしれない。私の思い込みや被害妄想かもしれない。
重要なのは、それが事実かどうかではなく、私がそう感じていることだ。
できることなら、いつもきちんとしていたかったし、いつも良い子でいたかった。
義務教育の頃からずっと、社会に出てからでさえも、いつも同じことを思っていた。
親の期待にこたえられないのは辛い。
自分がどうしようもない人間だと思い知らされるのはみじめなことだ。
本当の私がこんなにダメな人間だと知られたら、友人知人の類は誰もが私から離れていくだろう。
だが親の場合はある種の製造物責任があるから見捨てるわけにも行かず困るはずだ。
自慢の娘でいればそれは大丈夫なはずだった。
こういうのは病気(気分変調性障害)特有の考え方なのだそうだ。
そういわれても、いつからか分からないほど長い間つきあっている考え方だから。
私にとっては真実なのだと思う。


私が何も出来なくても、何もしなくても、何も期待せずにただ私と言う存在を
受け入れて歓迎してくれるのは彼一人だ。
責任感からでもなく、情やしがらみでもなく、純粋な好意のみで私を求めてくれる。
やっと、今の自分でもいいのかもしれないと思い始めている。
彼がいるから私が生きているというのは大げさではない。