スポーツ

今回のWBCではオランダやイタリアといったヨーロッパのチームが大活躍している。
野球はアメリカ大陸と東アジアでは盛んだけどヨーロッパはあまり人気がないと
聞くのに、なぜ?と思ったら、そこには大人の事情があったようだ。

(前略)
 オランダは日本の対戦国になったことで注目され、中継でもアナウンスされていたからご存じだろうが、オランダ王国に属する中米カリブ海に浮かぶ島国「キュラソー」出身の選手が大半を占める。キューバやドミニカが強いことでも分かるようにカリブ海の島国は野球が盛んだ。
(中略)
 オリンピック競技は、その国の国籍を持っていなければ国の代表として出場できないことになっている。国籍を変更した場合は3年間は出場できない規定がある。ところがWBCは以下のケースが認められる。
1.当該国の国籍を有す
2.当該国の永住資格を有す
3.当該国で生まれた
4.両親のどちらかが当該国の国籍を有す
5.両親のどちらかが当該国で生まれた
 1はオリンピック競技と同じだが、2以下は国籍を持たなくてもいいように出場資格を拡大しているわけだ。まあ、これらはその国と何らかの関係があるからまだいいが、もうひとつのケースもある。
6.国籍と永住資格がなくても当該国に申請し、その証明書類を提出してWBC主催者の許可を得た場合は出場できる
 という項目があるのだ。たとえばパスポートを申請し認められれば、その国の代表として出場できるのである。イタリア代表でプレーしている「イタリア系アメリカ人」は3世か4世。それでも国の代表になれるのは、この緩い規定のおかげだ。
こうせざるを得ないのは、野球という競技が国際的な拡がりを持っていない弱点を表わしている。盛んなのは北中米とアジアの極東だけ。現状では上位争いをするのは、このごく限られた地域だ。WBCを国際的に注目される大会にするにはヨーロッパ勢の活躍が不可欠だが、出場資格を厳密にするとそれは望めない。現状ではレベルに差があり過ぎるからだ。
(後略)
http://diamond.jp/articles/-/33139

大会を盛り上げてもっと野球を盛んにするために、国籍規定を緩くしているというわけだ。
強豪とされた国が負け落ちたり意外な国が大活躍したりしているのは、この策
によって強い選手が分散したためということなのか。
飛びぬけて強いチームがないように見える(三すくみのような状態である)分、
勝敗が事前の予想通りにいかず、ハラハラドキドキ面白く見ることができる。
大会運営も大変なのだな。