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南部さんは日本人? ノーベル賞の国別ランキングで物議 結局…


南部陽一郎さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。


「日本人」の定義って?という、よく考えるとかなり難しい問題。
日本で生まれ日本で育った日本人の両親を持つ人。普通は日本人と言える。
しかし彼は渡米し米国籍を取得したので、以降はアメリカ人である。
よく「日本人のノーベル賞受賞者は○人」などという言い方をするが、その場合

 そのため、文科省は、通常は日本人とし「今年の日本人受賞者は4人」などの表現を使いつつ、国別の集計では米国にカウントしています。

となっているのだそうだ。
色々複雑な問題をはらんでいるのがわかる。
国籍を変えるというのは並大抵のことではない。相当な思いがあったに違いない。
個人的にはちょっと悲しいけれど、それで思い切り研究に打ち込めるならいいことだ。
受賞自体は個人の業績ではあるが、誰の助けもなく完全に一人でやり遂げたという人は少ないだろう。
(それで企業と訴訟問題を抱える研究者も少なくないわけで)
こういうことで仮にごちゃごちゃとモメるとしたら、それはアルフレッド・ノーベル
の望みとは違ってしまうわけだし。
あなたは人類に貢献した、素晴らしいと表彰するだけのことなのに、簡単ではない。

南部さんは日本人? ノーベル賞の国別ランキングで物議 結局…
withnews 7月17日(金)17時46分配信
 2008年のノーベル物理学賞を受賞した米シカゴ大名誉教授の南部陽一郎さんが5日、急性心筋梗塞で死去しました。94歳でした。東京生まれの南部さんは、70年に米国籍を取得しました。文科省では、ふだんは日本人とみなしつつ、白書などの記録では「米国人」に数えるなど、微妙な対応に。南部さんの世界的な功績は、「日本人」とは何かをめぐる議論も巻き起こしました。
1952年から拠点は米国
 南部さんは、東京大を卒業後、大阪市立大教授となり、52年、米プリンストン高等研究所に招かれて渡米します。以降、米シカゴ大で研究を続け、1995年にウルフ賞、2005年にベンジャミン・フランクリン・メダルを受賞。2008年、ノーベル物理学賞に選ばれます。
国力象徴するノーベル賞
 生前、大阪府豊中市に自宅があった南部さんですが、国籍は米国です。日本は二重国籍を認めていないため、日本人とは言えません。一方、ノーベル賞は各分野の第一人者の証であり、国力を象徴する存在であると思われているのも事実です。
 そのため、文科省は、通常は日本人とし「今年の日本人受賞者は4人」などの表現を使いつつ、国別の集計では米国にカウントしています。
ノーベル財団「国籍考慮しない」
 ノーベル賞を選ぶノーベル財団は、どう考えているのでしょうか。財団は、発表時の国名を「そのときの活動拠点」だと説明しています。そのため、南部さんは「米国」として発表されました。また、「『国籍は一切考慮せず、最もふさわしい人物に』というアルフレッド・ノーベルの遺志に従って賞を選考している」として、国別の集計を公式には出していません。
「『米国籍で日本人』、いったいなんのことじゃ?」
 ノーベル賞受賞直後の2008年10月8日、新聞各紙は南部さんを「日本人」と報じました。作家の森巣博さんは10月23日の朝日新聞紙面で「日本にエスニシティの起源をもつアメリカ国籍所有者を『日系アメリカ人』と呼ぶのはわかるのだが、『米国籍で日本人』とは、いったいなんのことじゃ?」と批判。
 朝日新聞ではその後、2008年12月11日の紙面では、化学賞を受賞した下村脩さんを含め「日本の4人」という見出しを使っています。
最終更新:7月17日(金)17時46分