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【米大統領選2016】クリントン、トランプ両氏が先頭に 予備選集中日


「スーパー・チューズデー」は最も盛り上がるイベントの一つだろう。
NHK-BSでも特番を組んで放送していたので朝から釘づけだった。
ある意味予想通りだが、ある意味予想外な結果。
この日に予備選が行われたのは各党11州ずつ。
民主党クリントン氏7、サンダース氏4。共和党はトランプ氏7、クルーズ氏3、ルビオ氏1という結果になった。
世論調査によると民主党支持者は経験豊富な候補者を、共和党支持者は既存の政治家ではないアウトサイダー
を求めているという結果が出ているそうで、クリントン氏とトランプ氏の勝利は納得のいくものだろう。
しかし今後どうなるかはまだわからない。
これからの動向がますます気になる。

  • 予備選・党員集会が開かれた州(緑:民主・共和両党、青:民主党のみ、赤:共和党のみ)



米大統領選2016】クリントン、トランプ両氏が先頭に 予備選集中日
BBC News 3月2日(水)10時16分配信
米大統領選の予備選・党員集会が集中する1日の「スーパー・チューズデー」で、民主党ではヒラリー・クリントン国務長官共和党ではドナルド・トランプ氏が、それぞれ予想通り最も多くの州で勝利し、他候補に差をつけた。
開票は一部で続いているものの、トランプ氏は7州で勝ち、最も対抗馬に近いテッド・クルーズ上院議員テキサス州選出)の3州とマーコ・ルビオ上院議員フロリダ州選出)の1州に差を付けた。
2月のアイオワ州予備選に続き、この日は地元テキサスとオクラホマ、アラスカの計3州で勝利したクルーズ議員は、トランプ氏に対抗するため党内の勢力結集を呼びかけ、他候補の撤退を求めた。
今月15日の予備選に向けて激戦地フロリダ州で遊説していたトランプ氏は、「これがすべて終わったら、ヒラリー・クリントンだけが相手だ」と強調。共和党予備選に前より幅広い有権者層が参加するようになったと述べ、自分は「共和党の(支持基盤を)拡大した」とアピールした。さらに、自分は党内対立を収めて本選に向けて党をひとつにまとめられると、自らを「ユニファイヤー(unifier)」と呼んだ。
民主党では、クリントン氏が7州で勝利。バーニー・サンダース上院議員バーモント州選出)が4州で勝利した。
1日の選挙結果を受け演説したクリントン氏は、本選でトランプ氏と争うことを視野に入れた様子で、「この選挙で左右されることはかつてないほど重要なのに、あちら側(共和党)で使われているレトリックは過去最低だ」と批判した。
民主社会主義者と自称するサンダース氏は1日、バーモント州の支持者集会で、「世界の『ドナルド・トランプ』たちに我々を分裂させてはならない」と述べ、共和党で先頭を走るトランプ氏を批判した。
共和党主流派の予想外
リアリティー番組に出演し、議論を呼ぶ移民政策で知られるトランプ氏が共和党の最有力候補となったことは党主流派を驚かせた。
トランプ氏に対しては今週、白人至上主義集団「クー・クラックス・クラン」(KKK)の幹部デイビッド・デューク氏による支持を拒否しなかったと批判されたが、トランプ氏はすでにデューク氏の支持を繰り返し拒否してきたと反論した。
民主党では、スーパー・チューズデーの前に予備選・党員集会を開いた4州のうち3州でクリントン氏が勝利。黒人有権者の多くがクリントン氏支持に回っている。
一方のサンダース氏は事前予想に反して支持率を伸ばし、先月は北東部ニューハンプシャー州の予備選でクリントン氏に大勝した。
予備選では今夏に開かれる民主、共和両党の党大会で正式候補を選ぶ際に投票する代議員がどの候補を支持するのか、州ごとに投票で決める。スーパー・チューズデーは11州で一斉に投票するため、予備選の大きなヤマ場として注目を集める。共和党の総代議員数2472人のうち、4分の1近くがこの日に決まる。民主党も代議員4765人の2割程度の配分が決まる。
共和党候補になるには7月の全国党大会で代議員1237人、民主党候補になるには同2383人の支持がそれぞれ必要。
本選の11月8日には、来年1月に任期2期8年を終えるオバマ現大統領の後任が選ばれる。オバマ大統領は民主党だが、連邦議会の上下院では現在、共和党が多数を占めている。

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スーパー・チューズデーで候補が勝利した州
共和党
ドナルド・トランプ氏:アラバマジョージアマサチューセッツテネシーバージニアアーカンソー、バーモントの各州
テッド・クルーズ氏:テキサス、オクラホマ、アラスカの各州
・マーコ・ルビオ氏:ミネソタ州
民主党
ヒラリー・クリントン氏:アラバマジョージアテネシーバージニアアーカンソー、テキサス、マサチューセッツの各州
バーニー・サンダース氏:バーモント、オクラホマミネソタコロラドの各州

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<解説>ジョン・ソープルBBC北米編集長(フロリダ州で)
1日夜に報道陣を前にしたドナルド・トランプ氏は、いつもとまったく違う様子だった。相手をなだめようとする物言いで、口調は穏やかだった。共和党を、そして国をひとつにまとめる「ユニファイヤー(unifier)」になると言った。自画自賛もせず、自分が党候補になると決まっていると吹聴するわけでもない。しかし明らかに、予備選は実質的に終わったと考えている。
ぐったりするような長い道のりの一行程、次の予備選をトランプ氏はもう考えていない。視野にあるのは、ずっと大きな戦いになる11月、そしてその時の対抗馬となるとみられるクリントン氏だ。
クルーズ氏のテキサス州オクラホマ州での勝利を礼儀正しく祝福し、クルーズ氏を「いままで会った中で一番のうそつきだ」と呼ぶような真似もしなかった。ルビオ氏をばかにもしない。間違いようのない金髪と、後ろに控える家族がいなかったら、そっくりさんだと勘違いしたとしても無理はなかった。
しかし、いや、これは「ドナルド2.0」なのだ。ただし、新しい基本ソフト(OS)にはバグや故障がつきものなのが困りものだ。新しいOSに慣れるには、多少の時間がかかる。
最初のソフトが好きだからこの製品を買ったのにと、多くの人は言うだろう。寛大なドナルドというこの新しいやり方はうまくいくだろうか、大勢の支持者は喜ぶだろうか。
(英語記事:US election 2016: Hillary Clinton and Donald Trump rack up more wins