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布田川断層、M7・3で30キロ動く?…調査委

布田川断層、M7・3で30キロ動く?…調査委
読売新聞 4月17日(日)18時21分配信
 政府の地震調査委員会(委員長=平田直・東京大地震研究所教授)は17日、臨時会を開き、マグニチュード(M)7・3の本震が発生したと見られる布田川(ふたがわ)断層帯(全長約64キロ・メートル以上)で、動いた断層の総延長は約30キロ・メートルに達していた可能性があるとの見解を示した。
 地殻変動を解析した結果、断層帯の全長は当初考えられていたより数キロ・メートル長く、北東端は熊本県阿蘇村の阿蘇山カルデラの内側に及んでいると見られる。
 国土地理院も、これまで布田川断層帯の北東端とされていた地点から、さらに2キロ北東の地面で、断層が動いた痕跡を確認した。場所は震源から約21キロ・メートル離れた南阿蘇村の水田地帯。小型無人機(ドローン)の撮影で、痕跡を確認した。
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 布田川断層帯の北東端(南阿蘇村)では、16日の本震で大規模な土砂崩れが発生、阿蘇大橋が崩落した。
 17日午後、現地調査に入った新潟大の福岡浩教授(地すべり学)は「断層の近くに急斜面があったことで強い揺れが加わり、土砂崩れを招いた」と分析した。福岡教授によると、阿蘇地方の地層は、阿蘇山の過去の噴火で火山灰が堆積しており、崩れやすい。福岡教授が確認した結果、崩落した土砂は、深さ約10メートル、長さ、幅ともに約120メートルに達していた。
 福岡教授は「土砂崩れは断層沿いに発生しているようだ。余震や大雨で、さらに広範囲に土砂崩れが起きる可能性がある」と話した。
最終更新:4月17日(日)20時18分