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課題は治安、被害相次ぐ=開会式には高い評価−リオ五輪〔五輪〕

課題は治安、被害相次ぐ=開会式には高い評価−リオ五輪〔五輪〕
時事通信
 【リオデジャネイロ時事】日本選手のメダルラッシュに沸くリオデジャネイロ五輪は、13日で日程の半分を過ぎた。開会式の演出では環境保護などのテーマを掲げて高い評価を受け、順調に滑り出したが、日本人観光客への犯罪被害が多発するなど、まだまだ多くの課題を残している。
 「国家の多様性を見事に表現した」。地元紙グロボは、映像効果と音楽で鮮やかに表現した南米初の五輪開会式を褒めたたえた。深刻な不況の中で、予算は大幅に抑えたが、「目の覚めるような出来栄え」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と、海外メディアの評判も良かった。
 当初は観戦客の手荷物検査で担当者の不慣れが目立ち、入場までに約1時間半の行列もできたが、ボランティアを増員して対応した。苦情が殺到した競技場売店の品薄も、即座に解消されるなど意外によくやっているという見方も広がっている。
 ただ、ロンドン大会の2倍に当たる約8万5000人を投入した治安対策は大きな課題だ。観戦客を狙った強盗やスリの被害は絶えず、開幕からわずか1週間で日本人が巻き込まれた事件は少なくとも9件あった。選手村で従業員が窃盗を働いたり、観光地で外国の閣僚が強盗に襲われたりと、国籍を問わず犯罪の被害に遭っている。
 競技場の中では、競泳選手を乗せたバスが行き先を間違えて競技開始が遅れる不手際が発生。間違った薬剤を入れて、シンクロナイズドスイミングで使うプールが深緑色に濁り、急きょ水の入れ替えを余儀なくされるミスも起きている。
 「リオで五輪開催したことを後悔していないか」。国際オリンピック委員会(IOC)の広報担当者が出席する定例会見では、厳しい質問が相次いだ。組織委員会は「いまは祭典の最中だ。世界の人に一流選手のパフォーマンスを楽しんでほしい」と答えるにとどまっている。
(2016/08/14-16:31)