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イタリア買春事件で珍判決、「被害少女に本を買い与えよ」


-イタリアの首都ローマの路地を歩く売春婦(2015年2月8日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO/FILIPPO MONTEFORTE


イタリア買春事件で珍判決、「被害少女に本を買い与えよ」
2016年09月24日 15:14 発信地:ローマ/イタリア
AFPBB
【9月24日 AFP】イタリア・ローマ(Rome)の裁判所で、未成年の少女を買春した被告に対して、女性の尊厳に関する書籍30冊をその少女に買い与えることを命じるという珍しい判決が出された。イタリアのメディアが23日伝えた。
 被告の男(35)は禁錮2年に加え、売春をしていた15歳の少女に対して、英女性小説家バージニア・ウルフ(Virginia Woolf)の小説やアンネ・フランク(Anne Frank)の日記、米詩人エミリー・ディキンソン(Emily Dickinson)の詩集などを買い与えるよう言い渡された。さらにフェミニズムをテーマにした映画作品2本も提供するよう命じられた。
 ローマの高級住宅街パリオリ(Parioli)地区で14歳と15歳の少女2人をあっせんしていたローマを拠点とする売春組織の捜査が2013年から行われ、今回の裁判につながった。
 最新の判決文は23日の時点では公開されていないが、全国紙コリエレ・デラ・セラ(Corriere della Sera)は「判事は少女に、彼女が受けた本当の『被害』は女性としての尊厳が損なわれたことだと理解する助けとなる救済措置を選んだようだ」と報じた。
 一方、判事が被告に購入を命じた書籍に自身の著書が含まれているベローナ大学(University of Verona)のアドリアナ・カバレロ(Adriana Cavarero)教授(哲学)は、判事はそれらの書籍を被告に読み聞かせる方が良かったと同紙に語った。
「思春期は内省をする時期ではなく、被告の男性がしたことのほうがはるかに悪質だ。故意に未成年者との性行為に金銭を払った大人なのだから」とカバレロ氏は述べた。
(c)AFP