太陽と月

外の景色は明るく光に満ち溢れ、行きかう人々もまた輝いている。
その陰で、いったいどれだけの人々が涙を流しているのだろう。
それを思うと心が痛む。
今目に見えるものだけがすべてではないと、いつ人は気づくのか。
無理に笑顔の仮面を貼り付けて、精一杯生きている人々がいることに。
ガラスのように壊れやすい心を両手で大切に包み込むようにして
そうしてやっと生きていける人々がいることに。


太陽の光は力強いけれど、まぶしすぎて目を傷める。
月の光はやさしく、そっと道を照らしてくれる。
太陽の光と月の光と。
両方が世界に満ちるといい。