バレエ「ドン・キホーテ」

ステージと書きましたが、昨夜NHK「芸術劇場」で放映
されたバレエ「ドン・キホーテ」について書きます。
主役のキトリはS・ザハロワ。バジルはA・ウヴァーロフ。
二人ともボリショイ劇場所属のダンサーです。
新国立劇場バレエ団(と言っていいのか?)の公演。
ザハロワは、良くも悪くも現代風でした。
細くて長い手足とよくしなる高い甲。テクニックも
申し分無し。脚が高くあがるし、回転も易々とこなす。
ですが。なんでも上げりゃいいってものじゃない。
ちょっと見せ付けすぎて、下品になってしまったところが
何ヵ所かあったのが残念。キトリは元気な町娘なので
まだ良いけれど、第2幕「夢の場」ではドン・キホーテ
憧れのドゥルシネア姫として踊らなくてはいけないのに
キトリのまま元気一杯に踊ってくれました。これじゃ
憧れも何もありません。白鳥と黒鳥のように、踊り分け
しないと。実にもったいない。でも基礎はしっかりして
いるので、少し乱れても大きく失敗する事がないのはさすが。
ワガノワバレエ学校出身かな?第3幕のキトリの
ヴァリエーションがワガノワ流の振り付けだったので。
ウヴァーロフはいつもどおり。安心してみていられる
バジルでした。ボリショイ育ちだからハデでどうだ!でした。
全体の演出は牧阿佐美バレエ団風味満載。まぁ芸術監督が
牧さんだから仕方ないですかね。日替わりで何組かダンサーが
変わるのですが、新国バレエ研修生第1期生が主役を
踊った日もあったようです。どんどん世代交代が進むなか
ベテランが頑張っていたのも嬉しく思いました。
ドン・キホーテ」はコミカルなシーンも多く、踊りも
ハデでわかりやすいので、楽しく観られるお薦めの作品です。
ぜひ生の舞台をご覧下さい。
(って私はTVのレビューだよ・・・)