vol.5 バレエ「ボレロ」他

シルヴィ・ギエム最後の「ボレロ」Cプロ
・スプリング・アンド・フォール(振付:ジョン・ノイマイヤー、出演:東京バレエ団
・小さな死(振付:イリ・キリアン、出演:シルヴィ・ギエム&マッシモ・ムッル)
・シンフォニー・イン・D(振付:イリ・キリアン、出演:東京バレエ団
ボレロ(振付:モーリス・ベジャール、出演:シルヴィ・ギエム東京バレエ団

東京追加公演です。今夜と明日で東京は最後です。
「スプリング・アンド・フォール」男性陣は勢いがあって良かったけど、
組み体操のように交錯するところではちょっともたついた感があった。
もう少しこなれてから、もう一度観たいかな。
「小さな死」席が前方だったせいか、細かい動きまで良く見えた。
ギエムとムッルの繊細な動きは本当に細やかで、息をするのを忘れるほど
見入ってしまった。
「シンフォニー・イン・D」以前観たときと半分以上ダンサーが入れ替わった
ようで、やや動きがかたいダンサーも見られたのが残念。コミカルな作品
なので、もっと柔らかに踊ってほしかった。
ボレロ」まさに圧巻。はじめに手だけにスポットがあたるのだけれど、
その間も身体でリズムを刻んでいることを今日始めて知った。そして何より
印象的な目。周囲の”リズム”と観客を巻き込んでいくその目に、私も
惹きこまれた。髪をいじる仕草は官能的で、突き上げる両手はまさに祈り。
神託を告げる巫女。瞬きする間も惜しんで見つめていた。渾身の踊り。
これが明日で見納めなんて、信じたくない。


今日は花束を持って行った。初めてだったけど、カーテンコール時に直接
渡すことができた。ギエムは一人ひとりに「Merci, merci」といいながら
握手もしてくれた。やわらかくて、暖かい手だった。
私は今日という日を一生忘れないだろう。