vol.6 バレエ「ボレロ」他

シルヴィ・ギエム最後の「ボレロ」C'プロ
・スプリング・アンド・フォール(振付:ジョン・ノイマイヤー、出演:東京バレエ団
・Push(振付:ラッセル・マリファント、出演:シルヴィ・ギエム&マッシモ・ムッル)
・シンフォニー・イン・D(振付:イリ・キリアン、出演:東京バレエ団
ボレロ(振付:モーリス・ベジャール、出演:シルヴィ・ギエム東京バレエ団

東京公演楽日です。今夜で(東京は)最後です。7列目のセンター寄りという
とても舞台が観やすい席だったのはラッキー。
「スプリング・アンド・フォール」昨日よりは良かったかな。席が観やすかった
せいもあるかも。センターで踊った長谷川智佳子が昨日の小出領子に比べて
若さが感じられなかったのは仕方がないのかな。ベテランらしい貫禄はあった。
男性でセンターを踊った木村和夫が髪が伸びて、「印刷のサカイ」さん*1
ようになっていたのがちょっと・・・。リフトやサポートはさすがでしたが。
今回のツアーで注目している吉川留衣の衣装の丈が長くて重たく見えたのは
とてももったいなかった。きれいなダンサーなのに。
「Push」ほの暗い舞台で、ゆったりとしたテンポで絡みもつれる二人の肉体。
音楽がビートのきいた音になっても動きはあくまで柔らかくそして時に鋭い。
シンクロ。緊張と緩和。余韻。秀作でしょう。
「シンフォニー・イン・D」今日はベテランもちらほら出演。ところどころで
ミスが見られたのが残念。特に男性8人が次々とジャンプして回転するパの
時に二人目がきっかけを逃して三人目と同じタイミングで飛んでしまったのは
もったいなかった。見せ場だったのに。客席から笑い声が聞こえるほど楽しく
コミカルな作品だけれど、昨日のほうが笑い声が多かったように思う。
小出嶺子はやはり光っていた。
ボレロ」昨日は巫女だと思ったけれど、今日のギエムはもう神だった。
5階席まであるあの広い会場を完全に支配していた。完璧だった。
観客は激しい波に飲み込まれてしまった。ギエムという波に。


カーテンコールは10分以上続いた。観客は総立ちだった。
「東京最終公演 ありがとう」の垂れ幕が降り、数え切れないほどの赤いリボンと
金銀の紙吹雪が舞ったとき客席から「おぉー」と感嘆の声が上がり、
ギエムは後ろを振り返っていた。
何度も何度もカーテンコールは続き、ギエムは「やりきった」という笑顔で
両手を大きく振ってくれた。バイバイ、の挨拶だった。
ありがとう。すばらしい舞台をありがとう。たくさんの感動をありがとう。
これからは他の作品で、あなたの美しい肉体と豊かな感情表現が生み出す
すばらしいダンスを見せてください。

*1:「さんまのからくりテレビ」の替え歌コーナーに出てくる人