vol.20 マラーホフ、ニジンスキーを踊る「ジゼル」

マラーホフニジンスキーを踊る「ジゼル」
出演:フリーデマン・フォーゲル、斎藤友佳里、木村和夫東京バレエ団
振付:マリウス・プティパ、レオニード・ラブロフスキー、ウラジーミル・ワシリーエフ
指揮:アレクサンドル・ソトニコフ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

マラーホフが踊るはずだったのですが、怪我のため踊れなくなりました。
今日のアルブレヒトはフリーデマン・フォーゲルが代役に。ジゼルは斎藤友佳里、
ヒラリオンは木村和夫です。ボリショイ劇場版ゆえなのか、一幕が若干普通の
演出と異なります。ペザント・パ・ド・ドゥがない代わりにパ・ド・ユイット
(男女8人の踊り)が入ります。ペザント・パ・ド・ドゥはコラーリの原振付
にはなく、後から追加されたものなのでカットしたのでしょうかね。でも私は
ペザント好きなんだけどな。見られなくて残念。
フォーゲルのアルブレヒトは王子様然としていてなかなかよかったです。
演技力もあり、今充実しているダンサーの一人といってよいでしょう。
斎藤友佳里のジゼルはさすがでした。一幕でのアルブレヒトの裏切りを知っての
狂乱のシーン、見事でした。視線が定まらずうつろな表情、幸せだったときを
思い出す繊細な微笑み、そして死。二幕ではウィリとなってもなおアルブレヒト
を愛し、守り抜く心。軽やかなステップ、激しさの中でも失われない叙情性。
得意にしている演目だけあって、すばらしいできばえでした。
でもやっぱりマラーホフのアルブレヒトを見たかったな。