医療保険なし

夕方のNHKのニュースで、子供の無保険が増えているという話を
やっていました。例として出てきた女性は「子供が生まれて働けなくなった。
収入は母子手当て4万円のみ。以前の職場は飲食店だったが閉店してしまった。
働きたいが子供が小さくて雇ってもらえない。滞納した保険料は6万円。払える
目処はない」という状況でした。
アナウンサーは「子供の福祉という観点からも、適切な医療を受けられないのは
問題だ。国は早急に対策を講ずるべき」という意味のことを言っていました。
アルバイトの増加やリストラなどによる無職の増加などで国民医療保険に加入する
人が増えたものの、収入が少ないために支払うことができない人も増え、結果
保険料があがり、さらに払えない人が増える。この悪循環だそうです。
世帯単位で保険を管理するために親が払えないと子供も無保険になるそう。
これはたしかにとても大きな問題だと思います。
しかし、番組を見て疑問を持ったのも確かです。
国民健康保険って、状況に応じて保険料の減免処置があったと思うんです。
減免とは「減額・免除」の意味。つまり保険料が払える額になったり、または
払わなくても保険証がもらえたりする可能性があるんですね。しかしこれは
きちんと役所で手続きをしなくてはなりません。審査の結果減免処置が適用
されないかもしれません。でも手続きしなかったら可能性はゼロだけど、申請
すれば可能性はゼロじゃないんです。
日本の制度は福祉関係に限らず申請主義のことが多いので、自分から申し出
なければなかなかやってはくれません。だからこそ、こういった公共の番組で
その制度の存在を知らしめる必要があると思うのです。多くの人がいろいろな
制度を知らないために困難な場面にあることも多いでしょう。せっかくこの
テーマを取り上げたなら、一言そういった制度があることを伝えてくれれば
無保険で困っている人が助かるかもしれません。
「国はナントカするべきだ」で終わらせるのではあまりにもったいない機会です。
手段を尽くした上でまだだめなら、改めてその対処法を考える必要があるでしょう。
たとえば「現時点で滞納している人は減免できません」だとしたら、分割でも
払える方法を探して仮の保険証を発行するとか、何か対処できるはずです。
天下のNHKが全国放送のニュースで取り上げた割には、問題提起で終わるだけの
残念なつくりでした。あぁもったいない。