BS世界のドキュメンタリー

<シリーズ あなたの知らない食のはなし>“苦い”紅茶
フェアトレードの商品は高いけれど、実はそれが「適正価格」であり、その価格で購入することで
労働者の生活が改善されるものだと信じていた。普段の値段が安すぎたのかー、と思っていた。
しかし、それもちゃんとは機能していないようだ。

<シリーズ あなたの知らない食のはなし>
“苦い”紅茶
世界で急速に普及するフェアトレード食品。むやみに安売りせず、生産者に利益を還元できる“フェアな”価格を設定し、その利益を適正に途上国の生産者に還元することで、生産者の生活を安定させる目的を持つ。
番組は、その代表的な商品の一つ、紅茶を取り上げる。ヨーロッパの企業やフェアトレード団体が取り扱う紅茶の生産地であるスリランカ、インド、ケニアバングラデシュの20に及ぶ茶園を取材。フェアトレードの紅茶と、一般の紅茶を生産する現場を比較し、果たして生産地の労働者がフェアトレード商品の恩恵を受けているかを検証する。



ヨーロッパでは近年、急速にフェアトレード食品が普及している。しかし、消費者が途上国の生産者の生活を持続的に支えるために支払っている「プレミアム」、割増金は、労働者に正しく還元されているのだろうか。一方、社会的責任を果たしていると公言する大手紅茶メーカーは、生産者の労働環境を守っているのだろうか。
 番組は、紅茶の主な生産地であるスリランカ、インド、ケニアバングラデシュの茶園を取材。スリランカフェアトレードの茶園では、一般の茶園と同様に、労働者たちが過酷な長時間労働を強いられていた。茶摘みは女性たちの仕事で、男性たちは植え付け作業や工場での加工などを行う。茶園経営者は、農薬の散布の際、労働者に防護を呼びかけていると言うが、ゴーグルもつけず裸足のままで行われている。
 また、フェアトレードの紅茶生産者は消費者が余分に支払った金を直接受け取ることができない。プレミアム(割増金)は生産地の地域社会の改善などに充てられることになっており、その使い道は労働者が選出するフェアトレード共同組織のメンバーに委ねられている。しかし、労働者の中にはプレミアムの存在を知らない人も少なくない。
番組は、フェアトレード商品は、上乗せされた金額の価値に見合うものでなければ見捨てられてしまうと結ぶ。


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