二区間定期と分割購入

プレジデントより〜
スイカで年間9060円安くなる妙技「二区間定期」

イカで年間9060円安くなる妙技「二区間定期」
6カ月Suica定期を安くする方法!
■二区間定期券と分割購入の合わせ技

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 JRの「二区間定期券」という制度。読者には初耳かもしれない。しかし、上手に活用すれば、多くのサラリーマンが恩恵にあずかれるこの制度、実例を挙げながら紹介していきたい。

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 あるサラリーマンが自宅のある常磐線松戸駅から、会社のある東京駅までを定期券で通勤していた。しかし悲しいかな、折からの不況で残業カットにボーナスダウン……。終業後に池袋で夜のアルバイトをしなくてはならなくなった。松戸─東京間の定期券に加えて東京─池袋間の定期券をもう1枚余分に買わなくてはならないだろうか?
 答えは「NO」だ。出発する駅から定期的に利用する目的地駅が二つに分かれる場合、1枚のSuicaに登録することのできる「二区間定期券」の発行が可能となる。
 本文の例だと、松戸─東京間に加えて追加購入するのはルートの中途で常磐線と山手線が分岐する日暮里─池袋間でよい。6カ月定期での金額で比べると、東京─池袋間が2万7220円なのに対して日暮里─池袋間だと2万4190円。その差額は3030円。カードがかさばらないのも嬉しい。

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 これを鉄道に詳しいサラリーマンに愛用されている「分割購入」という裏技と組み合わせる。
 JRの場合、乗車券を目的地までの途中の駅で区切って購入すると、直通で購入するよりも運賃が安くなる事象が区間によっては発生する。分割購入はそんな運賃制度上の隙間を利用するれっきとした合法技。「乗車券分割購入プログラム」(URL:http://bunkatsu.info/)というサイトでも簡単に確認できる。
 たとえば大宮─大森間のJRでの直通片道運賃は690円だが、途中の秋葉原で分割購入することで660円になる。6カ月定期にすると大宮─大森で9万9790円。大宮─秋葉原秋葉原─大森の分割だと9万5260円。その差は4530円。ただし不便な点として分割購入の定期券の場合は制度上、1枚のSuicaにまとめることができない。

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 浮上するのは自動改札での出入場という問題だ。乗車記録のない切符ないし定期で出場しようとすると、ゲートは開かない。毎回駅員のいる改札で手続きをすることになり、現実的に活用するのはほぼ不可能である。
 しかしこの大宮─秋葉原秋葉原─大森の区間では、「二区間定期券」への応用ですべての問題は解決する。秋葉原では山手線から中央・総武線への乗り換えが可能。分割の1本目を運賃が変わらない秋葉原経由の大宮─御茶ノ水間にする。こうすると二区間定期券が発行できる条件が満たされるため、1枚のSuicaに収められる。
 そのうえに通勤の途中に御茶ノ水の書店をブラリ。

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 二区間定期の発見法だが、まず分割購入サイトで割安になる区間を見つける。その後、分割する駅の近隣で路線が分岐する駅を見つけ、再度計算しなおすのがよい。