vol.42 「トスカ」

新国立劇場「トスカ」
【指 揮】フレデリック・シャスラン
【演 出】アントネッロ・マダウ=ディアツ
【合 唱】新国立劇場合唱団、TOKYO FM少年合唱団
管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団


主な配役:)
【トスカ】イアーノ・タマー
【カヴァラドッシ】カルロ・ヴェントレ
【スカルピア】ジョン・ルンドグレン
【アンジェロッティ】彭 康亮
【スポレッタ】松浦 健
【シャルローネ】大塚 博章
【堂守】鹿野 由之
【看守】龍 進一郎
【羊飼い】九嶋 香奈枝

新国立劇場のサイトはこちら→「トスカ特設ページ


イタリアオペラらしい華やかな舞台でとても楽しめた。第一幕最後「テ・デウム」の歌われる
教会のシーンは特に絢爛豪華で素晴らしかった。助演も相当数いたようで厚みのあるシーンだった。


トスカのタマーはとても良かった。第一幕では嫉妬深く浅慮なちょっと残念な女性なのだけれど
後半に展開される物語のスピードに乗って、緊張感のある強い声で凛としたトスカを演じていた。
「Vissi d'arte, vissi d'amore(歌に生き、愛に生き)」は秀逸。
スカルピアのルンドグレンは素晴らしかった。たっぷりとしていて厚みのある豊かな声で、卑劣な男
の役を魅力的に作っていた。
カヴァラドッシのヴェントレは少々物足りない感があった。「E lucevan le stelle(星は光りぬ)」は
良かったが「Recondita armonia(妙なる調和)」はもう少し聞かせて欲しかった。トスカとのデュエット
ではタマーに押されている感じでバランスが良くないように感じた。タマーが強すぎたかな?
他では堂守の鹿野さんが良かった。役作りと演技がすばらしい。性格をよく表現していたと思う。


今回は平日18時半開演。終演予定は21時15分(実際はカーテンコールなどで21時半ごろだった)。
もう少し開演を遅らせることはできないだろうか。せめて19時開演でないと社会人はきついだろう。
実際開演時には客席に空席が目立ち、第二幕から鑑賞という人も多かったようだ。終演が遅くなるから
難しいとは思うし、終わってから食事でもと思ったら22時は遅いだろうが、考慮して欲しい。


ホワイエには前回と同じツリーがあり、他にも1mくらいの小さなツリーや電飾でできたトナカイなどの
置物があり、クリスマス気分を盛り上げていた。バレエ「くるみ割り人形」が12月20日から上演される
ので、子供たちも楽しめるだろう。