女子フィギュアスケート

私の好みは技術を見せ付けるのではなく、さりげなくみせるスケート。
芸術性がより高く、すごい技もすごいと見せないようなのが好き。


今回のオリンピック、金選手の得点はちょっと高すぎだと思った。
(高得点を出すために計算された演技だったのだろうし、私は審判ではないが)
以前の彼女はとても美しく繊細な表現をするスケーターだったのに
今回は技術の正確性に重きを置いたのだろう、あの美しさがなくなっていた。
技術力の浅田選手対芸術性の金選手という認識だったのに、正直がっかりだった。
勿論、浅田選手が表現力を磨いているのも、金選手が技術力を磨いているのもわかる。
浅田選手のフリーは今までで一番いい表情をしていたと思う。
(でもやっぱりあのプログラムは彼女にはまだ数年早いと思うけど)


しかし、エキシビションでは久しぶりに金選手の美しい演技を見ることができた。
安心した。彼女はあの美しいスケートを捨てたわけではないと思った。
浅田選手の演技も彼女らしいと思えるすばらしいものだった。あれを試合でやったほうが
高得点が出そうな気がするのだけれど。キャラクターに合わないものを演じきるほどの
力は今の彼女にはまだないと思うから。


男子の試合でも技術はどこまで要求されるのかというような議論があったが、
それは女子も同様だろう。むしろ女子のほうが厳しいかもしれない。
あくまでもスポーツだというなら、より高くより沢山回転した方が得点が高くあるべき。
そうではなく芸術性も必要というなら、無理やりのジャンプより演技力や表現力を
より評価するべき。
このあたりは「芸術的競技」にカテゴライズされる競技全てが持つジレンマだろう。
新体操やシンクロナイズドスイミングがその代表だと思う。
「美しさを競うスポーツ」というのはとても矛盾した言葉なのだな。