古今

昨日のコメントで「論語の出だしは『子いわく』ではなく『子のたまわく』だ」
という話をされて、まさに我が意を得たりという感じだったのですが。
最近そういう「簡便な口語調への言い換え」って多いですよね。
別に古いもの全てが悪いわけではないと思うので、そういう部分は多少堅苦しくても
以前の言い方のままでいいと思うのですが。


音楽ではリヒャルト・シュトラウス交響詩で「ツァラトゥストラはかく語りき
という作品があります。『2001年宇宙の旅』という映画でも使われて一般にも有名
だと思います。
これは哲学者ニーチェの著作『ツァラトゥストラはかく語りき』(Also sprach Zarathustra)
が元なのですが、最近では「ツァラトゥストラはこう言った」と言われることが多いように
思います。「sprach」なので別にどちらも間違いではないのですが、なんとなく
子供の頃に刷り込まれた方(親の持っていたレコードは「かく語りき」だった)で
覚えてしまうもので。
無理やり例えてみるなら、浮世絵だと思ったのによく見たら萌え絵だった、みたいな。
ちょっと違うかなぁ?なので、この今風のほうがより親近感を覚えて好ましい人も
いると思います。でもなんでもかんでも今風にしなくてもいいのに、と思う。


文学や芸術は財産なので、一部の学者や特権階級だけのものであってはいけないと思う。
けれど、易きに流れてその本質や品位を失うこともまたよくないと思う。
なんか難しくなってしまった。