読み方

ニュースサイトに出ていたニュースを読み上げていて「競売(けいばい)だって〜」
と言ったら「一般的には『きょうばい』だから、けいばいって言わないほうがいいよ」
と注意されてしまいました。
『きょうばい』と読むことは知っているけれど、漢字を目にしたときにはぱっと
『けいばい』という音が思い浮かぶのです。それで何気なく言ったのですが。
私のイメージでは「一般的なオークションでは『きょうばい』、差し押さえの不動産物件など
では『けいばい』というふうに耳にすることが多いかな」という感じなので、
ちらっと調べてみました。


ヤフー知恵袋でこの読み方に関する質問がありました。
競売は・・きょうばいとけいばいどう読みますか?どちらが正しいのでしょうか?
ベストアンサーではないのですが、こんな回答がありました。

どちらも間違いではありません。
漢音で読めば「けいばい」で「競馬(けいば)」の「けい」と同じです。
法律の世界ではこう読む習わしです。


呉音で読めば「きょうまい」です。
「きょうばい」は呉音・漢音の混在になりますが、慣用として許容されます。
日常の言葉としては「きょうばい」と読んでかまいません。


「図画」も、日常的には「ずが」と読みますが、「猥褻の図画」の場合、法律の世界では「わいせつのとが」と読むのが普通です。
「図書(としょ)」の「と」と同じですね。

日本語では「音読み」とひとくくりにしてしまいますが、実は元の中国語読みにしても
漢音もあれば呉音もあるのですよね。『きょうばい』はその混在例だとわかりました。
そういえば確かに「図画工作:ずがこうさく」「猥褻図画:わいせつとが」ですよね。
この音読みの謎(というか、漢音だの呉音だの)も深く突っ込んだら面白そうなテーマです。


宅建の受験生向けに書かれたらしいサイトで、法律用語と一般の読み方とを併記している
ものがありました。(→「宅建の迷物図書館:良くある質問と回答(Q&A)」)
ちょっと面白かったので一部抜粋してみます。

言葉 法律用語 一般の読み
競売 けいばい きょうばい
遺言 いごん ゆいごん
借家 しゃっか しゃくや
賃貸人 ちんがしにん ちんたいにん
賃借人 ちんがりにん ちんしゃくにん
借賃 しゃくちん かりちん
「借」という字の読み方は「賃借人」の時は「かり(法律)」「しゃく(一般)」
なのに「借賃」になると逆に「しゃく(法律)」「かり(一般)」なんですね。
でも「賃貸人(ちんがりにん)」なんて言ったら相手はびっくりするだろうな。
日本語って難しい。