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9.11生還 耳に残る「死の音」
あの時はリアルタイムでテレビで見ていた。
衝撃的などという言葉では表せない光景で、人や物が落ちる音が絶えず響いていた。
それを目の前で見ていた人の恐怖は計り知れないだろう。
人の心を救うものが宗教であるはずなのに、なぜこんなことが起きたのか。
まったくやりきれないことだ。

9・11崩壊ビルからの生還者、10年前の恐怖なお色あせず
ロイター 9月11日(日)9時13分配信
 [ニューヨーク 9日 ロイター] 米同時多発攻撃から11日で10年。ユナイテッド航空175便が突っ込んだ世界貿易センター(WTC)のサウスタワー81階にいたスタンレー・プライムナスさんは、エンジンのごう音、燃料の悪臭、雷が落ちたような衝撃を今でも鮮明に記憶している。
 「この10年間、毎日少なくとも1回は事件の記憶がよみがえる」というプライムナスさん。2001年9月11日、炎と黒煙に包まれたタワーからの脱出に成功したが、当時味わった恐怖が色あせることはない。
 プライムナスさんの脳裏には、大惨事で命を落とした人々が死んでいく「音」が焼き付いている。毎晩、就寝する前、床に倒れた男性が「お願いだ。妻と赤ん坊に愛していると伝えてくれ。結婚したばかりなんだ」などと叫ぶ声が聞こえてくるのだという。
 「彼は頭部に重傷を負っていた。倒れ込んでしまった彼のそばに警備員がいたが、2人とも亡くなってしまった。彼の叫び声は、いまだに頭の中から離れない」。
 <精神的苦痛>
 WTCのノースとサウスのツインタワーはハイジャックされた航空機2機がそれぞれ激突して崩壊。ダイアン・デフォンテスさんは、ノースタワーの89階で働いていた。
 デフォンテスさんも九死に一生を得た1人だが、9・11で受けた肉体的・精神的苦痛が原因で、2003年から仕事に就くことができなくなった。
 10年が経過しようとしているものの、デフォンテスさんは「あの日を思い出さない日が来ることはない」と語る。階段にいた時のことや、危険に立ち向かっていった消防士の顔や目を今も思い出し、「崩壊したビル内にその消防士らが取り残されてしまった」と考えるという。
 また、デフォンテスさんは「私は9・11を計画した人たちが、活動をやめるとは思えない。今は地下鉄に乗るのも嫌い。また起こるかもしれないと恐怖におびえている」と現在の心境を吐露。最後に「これは、死ぬまで付き合っていかなければならないもの」と話した。
最終更新:9月11日(日)11時6分