私設秘書

歌の先生がコンサートを行うのに伴い種々雑多な雑用が増えたため、私が私設秘書
というようなポジションに入ることになった。
要するに雑用係なんだけど、芸術家の常でどんどんやることが増えていく。
色々思いついてでも時間がないからと省いたはずのことが、人手があるとなると復活しちゃうもんで。
今までは資料や人の手配や準備するものなどの取りまとめだけだったのに、とうとう
コンサートの内容のほうにまで踏み込まざるを得なくなってきた。
先生の専門はドイツ・リート。私はどうもドイツ語が肌に合わなくて遠ざかっているというのに
そのドイツ語と格闘しなくてはならない状況に陥っている。
しかも相手はゲーテとハイネ、いわずと知れた詩の世界の大巨匠だ。
何か大変なポカをしてしまうのではないかと怯えつつ、奮闘している。