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美味しんぼ 一時休載へ


無理もない。荒唐無稽なドラマでさえ「フィクションです」と大きく表示される。
この漫画の中では実在の個人名と肩書きを表記したうえで事実と異なる、あるいは
事実と認められていないことを「真実」として描いていたそうだ。
それが生命にかかわることであるからこそ問題だと思う。
危機感を持つことや個人の意見を持つことは大切だ。
しかし表現の自由とは何をしてもいいということではない。
出版社側も初動を間違えたからここまで大きな問題になってしまった。
今一度、色々なことを考え直してほしい。

美味しんぼ」一時休載へ 「表現のあり方を今一度見直す」と編集部見解
産経新聞 5月16日(金)23時30分配信
 東京電力福島第1原発を訪問した主人公らが鼻血や倦怠(けんたい)感を訴える描写や、「今の福島に住んではいけない」などの表現で議論を呼んでいた漫画「美味しんぼ」を連載する小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」最新号(19日発売)に、「ご批判、お怒りは真摯(しんし)に受け止め、表現のあり方について今一度見直していく」などとする編集部の見解が掲載されていることが16日、分かった。自治体や有識者による描写への賛否両論を並べた特集も掲載された。
 併せて、美味しんぼを次号からしばらく休載することが明らかにされた。編集部によると、休載は以前から決まっていたという。
 「『美味しんぼ』福島の真実編に寄せられたご批判とご意見」と題した特集では、有識者13人の意見や福島県庁、同県双葉町大阪府大阪市から送られた抗議文が10ページにわたって展開された。
 この中で、立命館大の安斎育郎名誉教授(放射線防護学)は、1シーベルト超の被曝(ひばく)をしなければ倦怠感は表れないが、漫画で第1原発を見学した際の被曝線量ははるかに低く、倦怠感が残ったり鼻血が出たりすることは考えにくいと指摘。「率直に申し上げれば、『美味しんぼ』で取り上げられた内容は、的が外れていると思います」「200万人の福島県民の将来への生きる力を削(そ)ぐようなことはしてほしくない」と訴えた。
 福島県川内村の遠藤雄幸(ゆうこう)村長も「多くの読者がいる御社の雑誌の一言一言は重い。自主避難者支援は理解できますが、全ての被災者が同じように受け止めることができるかどうかは疑問だと思う」とした。
 一方で、岡山大の津田敏秀教授(疫学、環境医学)は「チェルノブイリでも福島でも鼻血の訴えは多いことが知られています」「『低線量放射線と鼻血に因果関係はない』と言って批判をされる方には、『因果関係がない』という証明を出せと求めればいい」と擁護。「こんな穏当な漫画に福島県放射線のことが描かれたからといって文句を言う人のほうが、むしろ放射線を特別視して不安をあおっているのではないでしょうか」とつづった。
 同号には一連の問題描写が載っていた美味しんぼ「福島の真実」編の最終話も掲載。主人公らが福島県飯舘村から北海道に移住し畜産に挑む男性らを訪ねたり、福島の伝統料理を食べたりする内容で「偽善は言えない」「真実を語るしかない」との会話もあった。
最終更新:5月17日(土)0時46分