ニュース

イランの「死海」、消滅の危機
イランの北西部にある塩湖「ウルミア湖」がほとんど干上がって砂漠と化しているそうだ。
かつては中東最大の湖だった場所が今は砂と埃と塩の結晶になっているという。
湖に流入する河川でダム整備が進んだことが原因のようだ。
カザフスタンウズベキスタンにまたがる塩湖「アラル海」はかつて世界で4番目に
大きな湖として知られていたが今は枯渇の危機にさらされている。
1960年代には日本の東北地方と同じくらいの湖沼面積だったのに、たった半世紀で
その面積は五分の一に、福島県と同程度の面積に縮小したそうだ。
ソビエト連邦時代に綿花栽培のための大規模灌漑を始めたことがアラル海の砂漠化をもたらした。
いずれも人間が住みやすくするために行ったことが原因の変化であり、その結果
砂漠化が進んだために却って人が住めなくなっていることも共通している。
こうした砂漠化が進む一方で、温暖化により極地の氷が溶けて水没の危機に瀕している地もある。
余っているところから足りないところへ、なんてことができるわけもなく。
地球の長い歴史から見れば一瞬のできごとなのだろうけど。

イランの「死海」、消滅の危機
CNN.co.jp 2月11日(水)15時17分配信
(CNN) イラン北西部にある塩湖、ウルミア湖はかつて中東最大の湖だった。塩分濃度が極めて高いため、沈むことなく泳いだり浮かんだりしていられた。
しかしこの20年で湖の水はほぼ完全に枯渇し、周辺地域の農業や経済も衰退した。
国連開発計画によると、イランの水不足と有害な農業政策のため、1997年以来、湖の3分の2が干上がったという。ロハニ大統領はこの問題に対応するため、向こう10年で50億ドル(約6000億円)の拠出を表明している。
イランの写真家メイサム・ミール・ゼンデーデルさんは、2013年に湖の様子を目の当たりにして生態系に与える影響の大きさを知り、消えゆく湖の姿を写真に記録するプロジェクトに取り組み始めた。
取り残された船や木製の支柱群は、かつてそこに豊かな水があったことを物語る。湖岸の住宅街や子どもたちの遊び場は今、砂と埃にまみれている。
まだ残っている住民もいるが、ほとんどは農業が立ち行かなくなって近隣の村に移って行ったという。「乾いた塩の結晶の上を歩くと、完全な静寂の中に、結晶が崩れる音だけが響く。かつてこに豊かな水音があり、人々の生活があった」とゼンデーデルさん。「事実と現実を見せることが私の務め。判断は見る人に任せる」と語った。
最終更新:2月11日(水)18時9分