思い出

自前のブドウ畑でブドウを栽培するところから収穫・ワインの醸造・瓶詰・販売まで
の一切を手掛ける「カンティナ」と呼ばれるシャトーのようなところがイタリアに
あるのだけれど、あるオーナーの方が我々一行をご自宅(大邸宅)に招待してくださった。
芸術を愛する彼は若い芸術家たちを支援していて、これはその一環でもあるようだ。
最初に通されたのはボールルームのように広い公演スペースで、そこでこのカンティナ
と一家の歴史などを伺った。(ショートフィルムまで用意されているのだ!)
続きの間は会食スペースで、暖炉があったり壁に銅製の型がずらりと並んでいたりする。
サン・ダニエーレという生ハムは名産品だが、目の前でどんどんスライスしてくれる。
他にも数種類の生ハムやチーズが並んでいて、まずはスパークリングワインで乾杯。
そして席について赤白のワイン飲み放題、お料理も後から後からどんどん出てくる。
我々は全部で20数名いたのだけれど、椅子もお料理も余裕たっぷり。
おもてなしの規模が日本とは全く違うなぁとひたすら感心してしまった。
最後はロゼのデザートワインも出てきた。ラベルがとても素敵なこのワインは
「バラのワルツ」という名前もまた素敵だった。
……まぁ、私はワイン飲めないのでひたすらお水飲んでましたけど。


エントランスホールにもどこにも素敵な調度品がたくさん飾られているのだけれど、
一番驚いたのはピアノ。オーナーによると、ロシアのディアギレフ率いるバレエ・リュス
がヨーロッパ公演を行った時のピアノなんだそうだ。20世紀初頭の話だけれど、
伝説のニジンスキーやフォーキン、パヴロワやカルサヴィナ!!
一度バレエがすたれてしまったパリにロシアから逆輸入されて今日のバレエの基礎に…
なんてバレエをやっていた者としては大興奮したのだけれど、皆さんはしらーっと。
たぶんバレエ・リュス自体を知らないんだろう。若いし。
時間があればもっと色々伺いたかったな。