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澤、引退会見「悔いのないやりきったサッカー人生でした」


「お疲れ様でした」そして「ありがとう」、とにかくこの二つの言葉に尽きる。
人生の半分以上を代表メンバーとして過ごしてきた澤選手。初めは期待の若手として、
そして中心選手となり後輩を引っ張るベテランとなって数々の素晴らしいプレーを見せてくれた。
何事も辞める時が一番難しい。ましてスポーツ選手には怪我や事故などの不運もつきものだ。
「やりきった」と言えるなんて、なんと素晴らしい競技人生だった事だろう。
皇后杯が終わったらまずはゆっくり休んでください。今までお疲れ様でした。
そして長い間、本当にありがとうございました。

澤、引退会見「悔いのないやりきったサッカー人生でした」
スポーツ報知 12月17日(木)17時40分配信
 なでしこジャパンのMF澤穂希(37)=INAC神戸=が17日、都内で引退会見を行った。
 黒のスーツに身を包んではにかみながら姿を現した澤は「このたび私、澤穂希は今季をもちまして現役を引退することを決めました。心と体が一致してトップレベルで戦うことが難しくなってきたと感じたからです」。ここまで話した澤は、少し言葉を詰まらせ「人生の最大の決断となりましたが、悔いのないやりきったサッカー人生でした。皇后杯、最大で3試合残っています。感謝の気持ちを込めてプレーしサッカー選手・澤穂希として最後、生き様を見せたいと思います。いままで応援してくださったすべての方々に感謝したいと思います」と続けた。
 澤は16日、所属するINAC神戸の練習後にチームメート全選手を前に「今季限りで引退します」と宣言。その後にマネジメント会社を通じ、正式に発表された。衝撃のニュースは日本を駆けめぐり、速報で伝えられた。この日は午前中に神戸で練習を行い、夕方から東京・千代田区の会場で会見に臨んだ。
 レジェンドに幕が下ろされる時が来た。中3で代表デビュー。通算205試合、83ゴールは男女を通じて日本最多だ。11年女子W杯ドイツ大会では初優勝し、MVPと得点王に輝いた。団体として国民栄誉賞を受賞。アジア人として初のFIFA年間最優秀選手賞に輝いた。ロンドン五輪では銀メダルを獲得。今年のW杯カナダ大会では男女を通じ世界初の6度目のW杯出場を果たし、ギネスブックに認定された。
 カナダW杯では史上初の記録を打ち立てた一方で、決勝まで7試合中2試合に先発したのみ。給水ボトルを運ぶなど、従来の絶対的エースという立場からの変化があった。大会後には「現役でやっている以上は狙いたい」と来年のリオ五輪出場に意欲を見せる発言をしていたが、五輪前年の引退を決断した。
 私生活では8月にJ1仙台の強化・育成担当の辻上裕章氏(39=現運営広報部長)と結婚。互いの仕事を尊重し、神戸と仙台での別居婚が続いていた。一方で同居や挙式など新婚生活への憧れを口にすることもあった。結婚が引退の契機になったかという質問には「それはないです」と断言。「現役を続けるのであれば、変わらずサポートするといってくれた。主人に伝えてからは、感謝の気持ちを込めて澤穂希らしいプレーをして欲しい、といわれた」という。
 今後については「現役中は指導者はないな、と思った部分もあったが、引退してから指導者をやりたいという気持ちにもなるかもしれない」と指導者へ転身する可能性も示唆した澤。なでしこリーグはすでに終了しており、現役選手として残された試合は皇后杯(19日準々決勝・対AS埼玉)の最大3試合になっている。澤は「意識しすぎるとゴールはなかなかできない。勝利に貢献するなかでゴールできたらうれしい」と話した。
最終更新:12月17日(木)19時59分