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甲子園を沸かせた悲運のカットマン「野球人生で一番悔しい試合でした」


甲子園で「ファウルで粘って出塁」していたが大会の途中で禁止されたため準決勝で敗退した選手。
ルールでダメと決まっているなら大会(できれば地方予選)が始まってすぐに注意すべきだし、
明文化されていないなら次の大会でどうするかを決めてアナウンスすべきこと。
なぜ途中で注意するという中途半端な対応をとったのだろう。
…と高野連の対応に賛否両論議論百出したのももう2年も前の話なのか。

甲子園を沸かせた悲運のカットマン「野球人生で一番悔しい試合でした」
東スポWeb 12月30日(水)10時3分配信
【気になるあの人を追跡調査!野球探偵の備忘録(2)】東スポ的に気になる選手を追跡調査する当コーナー。第2回は「悲運のカットマン」こと元花巻東・千葉翔太外野手(20)です。早速、現在は東都大学野球1部リーグの強豪・日大野球部でプレーしている千葉を独占直撃。高野連にまさかのダメ出しを食らった、あの“職人芸”はどうなったのか――。
 小柄な体格と類いまれなカット技術で2013年夏の甲子園を沸かせたのが、花巻東の千葉。現在、日大硬式野球部でレギュラー入りを目指し、汗を流している。
「ルールは知っていたんです。後悔はない。あのとき泣いたのは、日本一を達成できなかったのが悔しくて」
 千葉県郊外にある日大のグラウンドを訪ねると、千葉ははにかんでそう答えた。
 2年前の夏の甲子園、準々決勝までの千葉の成績は10打数7安打、出塁率は15打席12出塁で8割。ひたすらファウルを打ち続け、根負けした投手から四球を勝ち取る。それが千葉のスタイルだった。
 最速153キロの安楽智大(現楽天)擁する済美(愛媛)との3回戦では、内野に5人を配置する「千葉シフト」をものともせずに3安打。続く準々決勝の鳴門(徳島)戦では持ち前のカット打法で相手エースの板東湧梧に計41球を投げさせ、4四球と安打で5打席連続出塁をもぎ取った。しかし準々決勝の試合後、大会本部から「意図的にカット打法を続けた場合はバントとみなす場合がある」と注意を受ける。これにより準決勝の延岡学園(宮崎)戦ではカット打法を封印。千葉は1球もファウルを打たず、4打数無安打でチームも敗退した。
 試合後は「ファウルで粘って出塁するのが自分の役目なのに、それを止められてしまった。今までの野球人生で一番悔しい試合でした」と涙を流した。
「(花巻東の佐々木)監督からは『打率よりも出塁率。それが2番打者の役目』と言われ続けてきました。ライナー、強いゴロを狙って、フライは上げないということを意識してたら、自然とあの打法に行き着いたんです」
 もともと小学校時代は4番、中学でもクリーンアップを任される強打者だったが、強豪・花巻東に進んでからは壁にぶつかった。身長のハンディもあり、究極のリードオフマンとしての道に活路を見いだした。
 その信念は大学進学後も揺らぐことはない。
「カット打法は今も続けています。もちろんそれだけじゃないですけど、状況に応じていつでも出せるように。引き出しの多い打者になりたいんです」
 部員100人を超える日大野球部では3番目に小さい身長ながら、仲村恒一監督は「前向きな野球ができる子。足もあるし守備もいい。もともと技術がなければあれはできないですよ。来年くらいからレギュラーを狙えるチャンスは十分ある」と期待を寄せている。
 偉大な先輩の活躍も発奮材料だ。
「去年の年末に同期の仲間と高校に行ったら、グラウンドで大谷さんが自主練してて。ちょっとですけどお話ししました。自分が言える立場じゃないですけど、大谷さんの活躍は本当に活力になる材料です。プレミア12も見ましたし、登板する試合はなるべく見てます」
 水沢リトル、花巻東で1学年先輩だった日本ハム大谷翔平投手(21)とは「翔太」「翔平さん」と呼び合う仲。リトル時代には投手として、大谷が1番手、千葉が2番手を担う良きライバルで、一緒に風呂に入ったこともあるという。
「将来のビジョンはまだ全然ですけど、野球を続けられるレベルにいれば、プロや社会人でも続けたい。でも、まずはレギュラー、チームとしては日本一が今の目標です」
 甲子園を沸かせた小兵は信念を胸に、今日もバットを振り続けている。
最終更新:12月30日(水)10時20分