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外見ではわからない。難病・クローン病の男性が、自撮り写真で伝えたかったこと


外見ではわからない病気を抱えている人はたくさんいる。
内臓疾患もそうだし、椎間板ヘルニアなども同じことだ。
電車で座っていた若者も実は義肢を付けているのかもしれない。
一見「普通」の「健康そうな」人に見えても、実はそうではない人はたくさんいる。
そういう思いを巡らせることも「思いやり」の一つだろう。





外見ではわからない。難病・クローン病の男性が、自撮り写真で伝えたかったこと
BuzzFeed Japan 3月14日(月)15時4分配信
一見健康そうに見えても、実は不治の病いと闘っている人たち。周囲の人々が気がつかないだけで、数多く存在している。クローン病と闘っているイギリスの男性も、そんな一人だった。自分を理解されない状況にうんざりした彼は、ある日、医療機器を身につけた自撮り写真を、SNSに投稿した。
イギリス出身の24歳、ステ・ウォーカーは、消化機能に影響のある、クローン病を患っている。
クローン病は不治の病で、全消化管に及ぶ炎症性慢性疾患だ。160万人のアメリカ人が、クローン病や、関連する潰瘍性大腸炎を罹っている。
ウォーカーは、Buzzfeed Newsに対し、彼がこれまで何度も合併症を患ったことや、治療のために手術を80回経験したこと、そしてこの二年間、普通の食事ができていないことを語った。
ウォーカーは、自分が一見「普通」の人に見えるので、周囲の人たちが彼のことを健康だと判断すされるといいます。彼は障害者用のトイレや、専用駐車場や、杖、シニアカーを使うのをためらってしまうという。
周囲の反応にうんざりした彼は、ある行動にでた。ウォーカー自分の写真を2枚並べてFacebookに投稿したのです。一つは、服を着たもの。もう一つは、裸で彼が生きるために身につけている機器を写したものだ。
投稿の中で、これまで多くの合併症を経験してきたことや、彼が使用している医療機器が、どのように役立っているかなど詳しく書いた。多くの人に健康そうに見えても、実際の健康状態は必ずしもそうではないということを綴った。
彼の投稿には次のように書かれている。
「『君はいたって元気そうに見える。それなのに、どうして障害者用のトイレや駐車場を使うんだい?』とか、サービスを悪用しているとか、障害者じゃないでしょ、とか、杖なんていらないんじゃないの?』とか。こういう言葉を言いそうになったらどうか、一旦立ち止まって考えてほしいんだ。僕だって健康になりたい、普通になりたいと思っている、と思っているんだ」
「あなたは、僕が毎日何をしなければならないかを知らないし、外見だけで僕を判断する権利なんてないことを考えて欲しい。だって君は、僕の中で何が起こっているのか知らないのだから」
「僕に話しかける前に、僕がベッドから出て、服を着て、普通に見せようと努力しているかもしれないということを想像してほしい」
アメリカのクローン・大腸炎財団 会長のマイケル・オッソは、ウォーカーの言葉への共感を示した。
「多くのクローン病潰瘍性大腸炎を患っている患者さんは、健康そうに見えるでしょう。でも実際は、消耗性の痛み、炎症を耐え忍んでいます。人からはわからないものなので、なおさらつらいでしょう」
「ウォーカーさんのように、経験談をみんなに知らせたり、クローン病潰瘍性大腸炎啓発週間のようなイベントに参加したりして、これらの病気に対する理解を高めることはとても大切です」
ウォーカーは、この投稿をしたのは自分の感情を吐露するためだったので、こんなに拡散するとは予想していなかったと語る。彼への応援メッセージは、毎日、山のように届くそうだ。
しかし、ウォーカーの戦いは、これからも続く。彼は自分の医療費を賄う一助として、ウェブサイトを立ち上げた。 「私は、イギリスの地方にある小さな町の出身の、どこにでもいる普通の人間で、生き続けるために戦っているだけ」と付け加えた。
最終更新:3月14日(月)15時4分