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熊本地震 活断層 阿蘇山に達していた



熊本地震 活断層、想定超す動き 調査委
産経新聞 4月18日(月)7時55分配信
 政府の地震調査委員会は17日、熊本県で16日未明に起きたマグニチュード(M)7・3の地震活断層の「布田川(ふたがわ)断層帯」が活動して起きたとの評価結果を発表した。動いたのは同断層帯北東端の「布田川区間」を含む約27キロで、断層の東側は調査委が想定していなかった阿蘇山カルデラ(くぼ地)に達していたと明らかにした。
 調査委は布田川区間(長さ約19キロ)で起きる地震をM7・0程度と想定していた。今回の断層は同区間の長さと比べ東西に数キロずつ長く、地震の規模が大きくなった。
 会見した平田直委員長は「火山のカルデラでは土砂崩れが起きるため、断層運動で地表にずれがあっても痕跡がなくなる。断層の判断は難しく、短めの評価となっていた」と説明し、さらに詳しく調査する必要があるとした。
 調査委は布田川区間地震発生確率は30年以内に最大0・9%で、全国の主な活断層の中で「やや高い」と評価していたが、最大1%以上の活断層は全国の約半数を占める。阪神大震災活断層地震が最大8%の確率で起きたのと比べても高い数値ではなかった。
 平田氏は「この程度の数字でも、実際に大きな地震が起きてしまった。日本全体で地震は頻繁に起きている。自分のこととして考えて備えてほしい」と呼び掛けた。
 また、個別の断層ではなく、調査委が平成22年に導入した地域単位での確率評価では、布田川断層帯を含む九州中部でM6・8以上の地震が30年以内に起きる確率は18〜27%と、高い数値を公表していた。
 調査委は14日に起きた熊本地震(M6・5)については、布田川断層帯と交差する日奈久(ひなぐ)断層帯の北端にある「高野−白旗区間」が活動して起きたと評価している。一連の地震活動は、2つの断層帯が連動するように起きたとみられる。
 一方、現地調査している東北大の遠田晋次教授は、16日未明の地震で地表に現れたとみられる断層を熊本県益城町で発見。布田川断層帯に沿って延びており、地面が横に約2メートルずれたことを確認した。
 気象庁によると、一連の地震の活動範囲は北東に移動していたが、日奈久断層帯の南西部でも活発化している。
 遠田教授は「南西部に断層の割れ残りがあると考えられ、余震に注意が必要」と指摘している。
最終更新:4月18日(月)9時52分