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米国務長官 核なき世界、米の役割確信…原爆資料館に手紙


-米国のケリー国務長官が、G7外相会合の際に原爆資料館を見学した感想をつづった手紙=山田尚弘撮影



ただの政治的なパフォーマンスではなく、自分で感じたり考えたりしたことを綴ってくれたのだろう。
そういう思いを共有できれば、さらに多くの世界の人々にも伝わっていくだろう。

国務長官 核なき世界、米の役割確信…原爆資料館に手紙
毎日新聞2016年6月3日 15時00分(最終更新 6月3日 15時00分)
4月訪問時の感想
 広島市中区原爆資料館を4月に見学した米国のケリー国務長官から5月中旬、志賀賢治館長(63)に感謝の思いを記した手紙が届いた。原爆資料館の体験を振り返り核兵器廃絶に向けた米国の役割の重要性に触れている。
 ケリー国務長官は主要7カ国(G7)外相会合のため同市を訪れ、4月11日に他の6カ国外相とともに原爆資料館を見学した。被爆当時13歳だった男子中学生が持ち、原爆の熱線で黒焦げになった弁当箱や、当時3歳11カ月だった男児が乗っていて焼け焦げになった三輪車などを見たとされる。
 手紙は5月3日付。1枚の便箋に「芳名録に記帳したように、資料館を訪れ、戦争の厳しい現実を思い起こすと、核兵器の脅威のない世界平和に向けて役割を果たすことが重要だと確信する」と、資料館の展示や核兵器廃絶に向けた思いをつづっている。
 また志賀館長から資料館の図録を贈られたことに感謝し、「資料館での強烈な体験を思い出させる」と、自ら読んだことをうかがわせる内容だった。
 志賀館長は「図録を贈ったことについて、海外の来賓からお礼の手紙を受け取ったのは初めて」と話し、オバマ米大統領の5月27日の訪問について「ケリー国務長官原爆資料館の展示に心を動かされ実現したのだろう」と振り返った。
山田尚弘、竹下理子】