vol.19 ルグリと輝ける仲間たち2007 Bプロ

ルグリと輝ける仲間たち2007 Bプロ
出演:マニュエル・ルグリ、モニク・ルディエール、ローラン・イレール、バンジャマン・ペッシュ他
演目:「タランテラ」「アベルはかつて・・・」「ドニゼッティ パ・ド・ドゥ」「オネーギン」「ビフォア・ナイトフォール」「牧神の午後」「ジュエルズ」よりダイヤモンド「ドリーブ組曲」「さすらう若者の歌」

〜第一部〜
「タランテラ」・・・バランシン振付。チャイコフスキー音楽。少しコミカルで派手な演目。
幕開きにふさわしいと思った。メラニー・ユレルとアクセル・イボ。
アベルはかつて・・・」・・・マロリー・ゴティオン振付。アルヴォ・ベルト音楽。
カインとアベルの物語。双子なのに弱者と強者の差が生まれる。グレゴリー・ドミニャックとステファン・ビュヨン。
ドニゼッティ パ・ド・ドゥ」(初演)・・・マニュエル・ルグリ振付。ドニゼッティ音楽。
衣装は奇抜だったけれど、クラシカルな振付で楽しめた。ドロテ・ジルベールマチュー・ガニオ
マチューがエトワールになってから初めてみたけど、なかなか貫禄もついてきたと思う。
「オネーギン」・・・ジョン・クランコ振付。チャイコフスキー音楽。タチヤナとオネーギンの別れの
パ・ド・ドゥ。Aプロでもみたけれど、やっぱり素敵。どうしたらあんなに激しく表現できるのだろう。
ルグリの演技もルディエールの演技もすばらしかった。
〜第二部〜
「ビフォア・ナイトフォール」・・・ニルス・クリステ振付。ボフスラフ・マルティヌー音楽。
抽象的すぎて私には難解だった。背景も衣装も微妙。第一パ・ド・ドゥ:メラニー・ユレル、マチアス・エイマン、
第二パ・ド・ドゥ:エレオノーラ・アバニャート、ステファン・ビュヨン、第三パ・ド・ドゥ:ドロテ・ジルベール
オドリック・ベザール、三組のカップル;マチルド・フルステー、ローラ・エッケ、シャルリーヌ・ジザンダネ、
アクセル・イボ、グレゴリー・ドミニャック、マルク・モロー
「牧神の午後」(日本初演)・・・ティエリー・マランダン振付、ドビュッシー音楽。元はもちろんバレエ・リュスの
ニジンスキーなのだけれど、ここでは原振付を取り入れつつ、新たな牧神を創造しています。エトワールの
バンジャマン・ペッシュ。
〜第三部〜
「ジュエルズ」よりダイヤモンド・・・バランシン振付。チャイコフスキー音楽。パ・ド・ドゥのみ。
バランシンなんだけど、パリ・オペラ座ダンサーらしい優雅さと気品にあふれていました。美しい。
ローラ・エッケ、オドリック・ベザール
「ドリーブ組曲」・・・マルティネス振付。レオ・ドリーブ音楽。「泉」「コッペリア」から音楽を
借用。新しいグラン・パ・ド・ドゥとして振付けた。衣装はアニエスによるもの。今日はアニエスとジョゼ
ではなく、ミリアム・ウルド=ブラームとマチアス・エイマンでした。いいんだけど、やっぱり比べると
長身のアニエスとジョゼのほうが舞台栄えするのです。悪くないんだけど・・・。
「さすらう若者の歌」・・・ベジャール振付。マーラー音楽。ローラン・イレールとマニュエル・ルグリ。
ベジャール作品なのにベジャール・ダンサーが踊るのとはまったく違う作品のようでした。品があって
丁寧。何気ない動きも一つ一つが正確で、たとえば5番ポジションもきっちり入っていました。
曲はマーラー自身が歌詞を書いた歌曲「さすらう若者の歌」を使用。ドイツ語だったのでところどころ
意味がわかって作品の理解の助けになったかも。


松江から始まった全国ツアーは今日が最終日でした。最後はトリコロールの紙テープと金の紙ふぶきが舞いました。
そして「たくさんの声援をありがとう。またいつの日か」のルグリからのメッセージの看板が。
何度もカーテンコールして、最後だと思ったら舞台上でも歓声と拍手が沸きあがって、つられて観客も
また拍手の嵐。またまた幕があきました。これでシリーズファイナルとは残念です。また多くの仲間を
つれてやってきてほしいものです。