生演奏

今日は学部の授業にお邪魔して来ました。題材にオペラを取り上げるため
生演奏するというのです。私のレッスンの先生と、もう一人外部からお呼び
したというのですが、勉強になるからぜひ来なさいと言っていただいたので。


オペラの誕生、ということで初期のものを取り上げていてモンテヴェルディ
ヘンデルグルックなどから演奏されました。ヘンデルの『セルセ』から
「Ombra mai fu」、グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」から二重唱、など。
外部の先生はメゾソプラノの方で、私の先生がソプラノ。伴奏はチェンバロ
ヴィオラ・ダ・ガンバ(チェロより少し小さな弦楽器。チェンバロの左手の音を
重ねる)、「オルフェオとエウリディーチェ」ではピアノで奏されました。
チェンバロは外が黒、内が赤、そこに金色の装飾があり、とても素敵でした。
ヴィオラ・ダ・ガンバも金色で模様が描かれていてきれいでしたよ。


歌はとてもすばらしかったです。メゾの先生の声ったら、激しかろうと優しかろうと
それと声とは別物で、声は常にソフトで薄い綿と紗をかけたようにまろやかで、
たっぷりとしていて丸くて全然とがっていないんです。何てすばらしいの。
最後のオルフェオのアリア「Che faro senza Euridice」は「これを聞いたら
神様だって許してしまうだろう」という、本当にすばらしい歌でした。
未だにずーっとこのアリアが頭の中でぐるぐる回っています。とても我慢できなかった
ので、家に帰ってからこのアリアも歌いましたよ。
先生もデュエットできたことを喜んでいらっしゃいました。私も聴けてハッピー。


しかし学部生はうるさい。出席を確保したいんだろうから出て行けとは言わないが
聞く気がないならおしゃべりしないで黙って寝ていてほしい。ホント邪魔。
まぁ授業が始まって30分もしたら寝る生徒続出で大分静かになったけど。


カストラートについてのドキュメントの映像も見ることが出来て、その中で
「最後のカストラート」の録音を聞くことができた。1922年だったかな。
男性の声ではなく、女性の声とも違い、子供にしては何だか変。不思議な声だった。
もう彼は大分衰えていたようだし録音もオペラではなかったので、実際に大人気だった
オペラでのカストラートはもっと超絶技巧だったそうです。
随分とゆらゆらした声だったのは、当時の技法なのか、老人だったからなのか。