vol.41 「くるみ割り人形」

東京バレエ団くるみ割り人形



指揮:デヴィッド・ガーフォース

演奏:東京ニューシティ管弦楽団

合唱:東京少年少女合唱隊



◆主な配役◆
クララ:アリーナ・コジョカル

王子:ヨハン・コボー

ドロッセルマイヤー:後藤晴雄
ピエロ:平野玲
コロンビーヌ:高村順子
ムーア人:小笠原亮
スペイン(チョコレート):乾友子、木村和夫
アラビア(コーヒー):西村真由美、柄本弾
中国(お茶):佐伯知香、高橋竜
ロシア(トレパック):田中結子、松下裕次
フランス(葦笛):高村順子、吉川留衣、長瀬直義

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くるみ割り人形」は子供の頃から何回も発表会で踊った経験があります。自分で思った以上に
身体の中に音楽も踊りも入っていました。雪のシーンなど大好きだったし、今でも踊れそうです。


今日はなんだか音楽がいつもと違って聞こえました。特に最初の序曲。とても厚みがあって、しかも
耳元にダイレクトに飛び込んでくるようでした。まるで自分がオケピットの中にいるみたい。
序曲の後半くらいから急にそれが消えていつもの雰囲気になったのですが、あれは何だったのかな。
でも全体的に音楽が良く聞こえましたよ。メロディだけじゃなく副旋律やベースの音まで。
ホールはお馴染み東京文化会館で席はいつもと同じ1階席。オーケストラが違うとここまで違うもの?


コジョカルは小柄でかわいらしいからクララに違和感はなくぴったりでした。当初王子役に予定されていた
ティーヴン・マックレーは英国ロイヤル側の事情でヨハン・コボーに変更になりましたが、このペアは
むしろ大歓迎。世界バレエフェスですばらしい踊りを沢山見ましたからね。
金平糖のグランパはロイヤル版?音が込み合ってて速くなるところに、その音に合わせた振り付けが
入っていたけれど、ゆったり優雅な踊りだったのにそこだけタンゴみたいでちょっと違和感。
クララの衣装はドレスもナイトドレスも白地にベビーピンクのアクセント。髪のリボンもピンクでこれが
コジョカルの雰囲気にとてもよく合っていて可愛らしかったです。
しかし金平糖の衣装が……袖つきのクラシック・チュチュだったのだけれど、袖丈は三分ほどで端は
ギザギザにカットされています。筒型のその袖先はつながっているのに、なぜか脇の部分は大きく抉られて
います。なんだか脇に穴が開いてるみたいでおかしな感じ。


一幕でねずみの王様にスリッパをぶつけるところ、見事にはずしていました(笑)。発表会でもよくある
んですよね。でも多分だけど、あたらなくても一瞬注意を引いたことでその隙に王子がやっつけるので
セーフなんですよね。


一幕の人形(ピエロ、コロンビーヌ、ムーア人)と二幕のスペインの木村さん、中国の二人が良かったです。
スペインの乾さんはフェッテの振り足が伸びていない(フレックス気味)のが気になり。ロシアの松下さん
最後は大変だけどもうちょっとがんばれって感じで、フランスの女性はよかったけど長瀬さんもがんばれ。


休憩時間にコーヒーを飲んでいたとき、同じテーブルにいた男女のうち男性がお能かなにかの人のよう
でした。一人称が「あたし」で女性言葉なので歌舞伎の女形の人かなと最初思いましたが、お能の業界話に
特に詳しい方だったようで。この間の新国立劇場ヴォツェック」も観にいらしたようで、今度行くという
連れの女性に「あれはきつかったわぁ〜」と話していました。うんうん、と心の中で私も賛成。
他にも「バレエを観に来るのは圧倒的に女性が多いね/オペラは男性が多いけど/しかもマニアが来る」
などと話されていました。
誰かと一緒に舞台を見に行かれるっていいですね。うらやましいです。私は大抵一人だからなぁ。