訃報

ウンベルト・エーコ氏死去、イタリアの作家 84歳


Umberto Eco - Requiescat in Pace.


薔薇の名前(IL NOME DELLA ROSA)」の著者であるウンベルト・エーコ氏の訃報。
この「薔薇の名前」というのは、表層だけを読めばおそらくはさほど難しくはない。
けれどきちんと読もうとするとかなり複雑だ。色々な面で読み手が試されている。
(例えば、ラテン語だけならまだしもギリシア語となると私はお手上げだし、キリスト教についての知識も足りない。)
しかしそれだけに作者の仕掛けた罠を一つ一つ解いていくのは面白いことだろう。
歴史で習ったことが文学史に出てきたり、文学と音楽と美術とがつながっていたりするものだが、
縦割りではなく横のつながりが見えたときに新鮮な驚きや喜びがある。
そんな煌めく星のような関係がこの作品には散りばめられている。

ウンベルト・エーコ氏死去、イタリアの作家 84歳
AFP=時事 2月20日(土)9時52分配信
【AFP=時事】(更新)ベストセラー小説「薔薇の名前(The Name of the Rose)」などで知られるイタリアの作家で哲学者でもあるウンベルト・エーコ(Umberto Eco)氏が死去した。84歳。地元メディアが20日、家族の話として伝えた。
 大手日刊紙レプブリカ(La Repubblica)のウェブサイトによると、エーコ氏は、がんのため、現地時間19日午後9時30分(日本時間20日午前5時30分)に死去したという。
 1932年1月5日、イタリア北部ピエモンテ(Piedmont)州アレッサンドリア(Alessandria)生まれ。現代イタリア文学における偉大な作家の一人とされる。
 1950年代後半、話し言葉や書き言葉、科学や芸術で意思疎通に使われる記号の研究、記号論についての思想を展開し始め、1970年代にボローニャ大学(University of Bologna)の記号学教授に任命された。
 1980年に出版された「薔薇の名前」の成功をきっかけに、広く世間に知られるようになった。
 中世のイタリアの修道院を舞台とした殺人ミステリーである同作は1986年、ジャン・ジャック・アノー (Jean-Jacques Annaud)監督によってショーン・コネリーSean Connery)やクリスチャン・スレイター(Christian Slater)らの出演で映画化された。
 エーコ氏は、晩年まで活動を続け、「フーコーの振り子(Foucault's Pendulum)」(1988)、「前日島(The Island of the Day Before)」(1994)、「バウドリーノ(Baudolino)」(2000)、プラハの墓地(The Prague Cemetery)」(2010)などの作品を遺した。【翻訳編集】 AFPBB News
最終更新:2月20日(土)15時40分