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【フィギュア】宇野、史上初4回転フリップ!SP世界2位相当105・74点


クワドラプル(4回転)ジャンプの種類と基礎点が分かりやすくまとめられていた。



【フィギュア】宇野、史上初4回転フリップ!SP世界2位相当105・74点
2016年4月24日6時0分 スポーツ報知
 ◆フィギュアスケート 3大陸対抗戦コーセー・チャレンジカップ第1日(22日・米ワシントン州スポケーン
 男女のショートプログラム(SP)が行われ、宇野昌磨(18)=中京大=が国際スケート連盟の公認大会で史上初めて4回転フリップを成功させ、世界歴代2位に相当する105・74点を出した。自己ベストを12・75点も上回る活躍で、チームアジアがショートプログラム部門を制した。2位が北米、3位が欧州だった。宮原知子(18)=関大=も自己最高を上回る73・28点と健闘。本郷理華(19)=邦和スポーツランド=は60・43点だった。
 思いきって跳んだ冒頭の4回転フリップを、宇野は力強く着氷した。「賭けだという気持ちで臨んだ。誰もできたことがないことをできたのは、すごくうれしい」。演技後は満面の笑みを浮かべながら、右手を何度も突き上げた。2月の四大陸選手権前には「まだまだ全然です」と話していた大技を世界で初めて成功させた顔に、充実感が漂った。
 7位だった世界選手権後に本格的に取り組みだし、まだ数週間。「(難易度の低い)ループ、サルコーより感触が良かった」といい、15日のアイスショーで成功。現地入り後はほとんど成功していなかった。「まぐれだと思う。これが及第点になるように、練習から基準を上げていきたい」と気を引き締めた。後半の4回転―3回転の2連続トウループも成功させて105点台の高得点をマークした。
 宇野は昨季のプログラムに4回転トウループを入れている。来季は今回成功させたフリップ同様、まだ誰も試合では成功させていない4回転ループ投入も目指している。「ループは入れたい、じゃなくて入れます。ユヅくん(羽生結弦)とか上の選手と一緒に戦っていきたいので、迷うことなく入れたい」と、世界選手権翌日に話していた。3種類の4回転を武器に来季を戦うことになるかもしれない。
 昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで羽生結弦(21)=ANA=は、トウループサルコーでSP、フリーを通じて計5度の4回転ジャンプを跳び、世界歴代最高得点を大幅に更新した。中国の金博洋(18)はルッツを含めた3種類4度の4回転を今季フリーで成功させている。平昌五輪プレシーズンとなる来季は、マルチ4回転時代が本格化しそうだ。
 ◆4回転ジャンプ 世界最初の4回転ジャンプは1988年の世界選手権で、カート・ブラウニング(カナダ)がトウループで初めて成功ささせた。98年ジュニアGPファイナルでティモシー・ゲーブル(米国)がサルコーを決め、ルッツはブランドン・ムロズが2011年、地元米国のコロラドスプリングズ招待で初めて成功させた。女子では、安藤美姫が02年のジュニアGPファイナルでサルコーを決めた。フリップは元世界選手権覇者の高橋大輔も挑戦したが、試合で決めることはできなかった。